おばんです!!カウタンだよ。新社会人のカウタンが、読んでおすすめだと思った本を紹介するよ。
今回は、内田樹『寝ながら学べる構造主義』を紹介するよ。
- 効率的に情報を集めたい人
- 教養を上手につけたい人
- 自分の力で世の中を読み解きたい人
本の概要
この本は、すっごく簡潔に書かれた“構造主義”の解説書だわよ。
“構造主義”って、あんまり聞き慣れない言葉だわね
“構造主義”とは、「人間とは、どういう風にものを考え、感じ、行動するのか」を問う思想の流れのことだわよ。
“構造主義”は現代思想の代表とも言われているから、言葉だけでも知っている人もいるかもしれないわ。
この本は、初心者のための入門書であるため、大変読みやすく書かれているわ。
専門家のための書物は「知っていること」を積み上げていきます。それに対して、良い入門書は、「私たちが知らないこと」から出発します。
[中略]良い入門書は、まず最初に「私たちは何を知らないのか」を問います。「私たちはなぜそのことを知らないまま、今日まで過ごしてこられたのか」と問います。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
まえがき
『寝ながら学べる構造主義』を読めば、
- 構造主義とはどのようなものか。
- “構造主義”の各思想家の傾向
がわかるわよ。
著者の紹介
1950年東京生まれ。東京大学文学部卒。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。同大学助手を経て、現在、神戸女学院大学文学部総合文化学科教授。専門はフランス現代思想、映画論、武道論
本の構成
まえがき
第1章 先人はこうして「地ならし」した――構造主義前史
第2章 始祖登場――ソシュールと『一般言語学講義』
第3章 「四銃士」活躍す その一――フーコーと系譜学的思考
第4章 「四銃士」活躍す その二――バルトと「零度の記号」
第5章 「四銃士」活躍す その三――レヴィ=ストロースと終わりなき贈与
第6章 「四銃士」活躍す その四――ラカンと分析的対話
あとがき
【要点まとめ】8個の抜粋ポイント
「入門書が面白い」のは、そのような「誰も答えを知らない問い」をめぐって思考し、その問いのもとに繰り返し繰り返しアンダーラインを引いてくれるからです。そして、知性が自らに課す1番大切な仕事は、実は、「答えを出すこと」ではなく、「重要な問いの下にアンダーラインを引くこと」なのです。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
まえがき
私たちにとって「ナチュラル」に映るのは、とりあえず私たちの時代、私たちの棲む地域、私たちの属する社会集団に固有の「民族誌的偏見」に過ぎないのです。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
第1章 先人はこうして「地ならし」した――構造主義前史
主体性の根源は、主体の「存在」にではなく、主体の「行動」のうちにある。これが構造主義のいちばん根本にあり、すべての構造主義者に共有されている考え方です。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
第1章 先人はこうして「地ならし」した――構造主義前史
「人間主義」とは、言い換えれば、「いま-ここ-私」主義と言うことです。「いま-ここ-私」をもっと根源的な思考の原点とみなして、それにどっしりと腰を据えて、その視座から万象を眺め、理解し、判断する知の構えをフーコーは「人間主義」と呼んだのです。この人間主義的歴史観によれば、歴史は次々と「より良いもの」、「より真実なもの」が連続的に顕現してくるプロセスとして理解されます。(だって、「いま-ここ-私」すべての基準なのですから、それが最高到達点である事は自明の前提です。)
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
第3章 「四銃士」活躍す その一――フーコーと系譜学的思考
(1度読み終えた本を、2度目に読んだ時は、)私たちは1度目には気づかずに読み飛ばしていた「意味」を発見することがあります。なぜ、最初は見落としたこの「意味」を私は発見できるようになったのでしょう。それは、その本をいちど最後まで読んだせいで、私のものの見方の微妙な変化が生じたからです。つまり、その本から新しい「意味」を読み出すことができる「読める主体」へと私を形成したのは、テクストを読む経験そのものだったのです。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
第3章 「四銃士」活躍す その一――フーコーと系譜学的思考
作者たちは必ずしも「自分が何を書いているのか」をはっきり理解していたわけではなかったからです。[中略]
言語を語るとき、私たちは必ず、記号を「使いすぎる」か「使い足りない」か、そのどちらかになります。「過不足なく言語記号を使う」と言う事は、私たちの身にも起こりません。「言おうとしたこと」が声にならず、「言うつもりのなかったこと」が漏れ出てしまう。それが、人間が言語を用いるときの宿命です。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
第4章 「四銃士」活躍す その二――バルトと「零度の記号」
何かを手に入れたいと思ったら、他人から贈られる他は無い。そして、この贈与と返礼の運動を起動させようとしたら、まず自分がそれと同じものを他人に与えることから始めなければならない。それが贈与についての基本ルールです。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
第5章 「四銃士」活躍す その三――レヴィ=ストロースと終わりなき贈与
レヴィ=ストロースは、要するに「みんな仲良くしようね。」と言っており、バルトは「ことばづかいで人は決まる」と言っており、ラカンは「大人になれよ」と言っており、フーコーは「私はバカが嫌いだ」と言っているのでした。
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
あとがき
【実行】2個の行動ポイント
[5-1] 何かを手に入れたいと思ったら、まず自分が人に与えることから始める。
[5-2] 自分という像ではなく、行動に気を使うことが大切
この書籍の感想
- “構造主義”は、日常や生き方の各所で活かされる。“構造主義”を知りたいという動機でなくても楽しめる一冊。
- 基礎知識がなければ、1回読むだけでは内容を理解できない。
- 自分のためになる部分を拾い読みすることが大切。
まとめ
今回は、内田樹『寝ながら学べる構造主義』を紹介したよ。
- “構造主義”について、初心者のためのために大変読みやすく書かれている。
- “構造主義”は、日常や生き方の各所で活かされる。“構造主義”を知りたいという動機でなくても楽しめる一冊。
おすすめ度:★★★★
この本に出会うことが出来て良かったです。
内田樹さん、ありがとうございました!!
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